
宮城県内のサウナを巡る「MIYAGIととのいびより」。今回は東北放送アナウンサーとして活躍する公式アンバサダー・佐藤朱さんとともに日帰りのサウナ旅へ。
最初に訪れたのは、宮城県牡鹿郡女川町にある「おながわ海岸広場 Sauna & Cabins」。海と山に囲まれたロケーションに佇むサウナは、女川の風に包まれながらととのうことができる、唯一無二の場所だ。
海を望むフィンランド式サウナ

サウナ室に入った瞬間、ふわりと杉材の香りが広がる。室内の温度は80℃前後、湿度は65%と、マイルドなあたたかさが心地よい。ロウリュ用のアロマは5種類から選べ、今回は朱さんが白樺の香りをセレクト。コンパクトな空間のため、ロウリュをすると蒸気がすぐに回り、体をやさしく包み込む。「落ち着く香りで、呼吸がしやすいですね」と微笑む朱さん。蒸気の向こうに揺れる海を小窓から眺めながら、ゆっくりと蒸される贅沢な時間が流れていく。
海風がつくる、自然のクールダウン

サウナでしっかり温まった後は、水風呂へ。取材時の水温は9℃とかなり冷たかったが、冷たさの中にどこか優しさを感じる。夏は水風呂に氷を入れて温度調整ができ、外気浴スペースにはミニプールも設置されるという。
外に出ると、海風がすっと肌を撫でる。「風の通りが良くて、とても心地いいですね」と朱さん。さざ波や風の音、鳥の鳴き声、遠くの船の音。女川の自然が奏でる風と音に身を委ねるひととき。サウナ室から、水風呂、そして外気浴スペースへと数歩で移動できる導線の良さも、この心地よさをより深いものにしてくれる。
目の前に広がる、女川ブルー

この施設の魅力は、目の前に広がる女川湾を一望できるロケーションだ。サウナ室の小窓からも見える女川湾は、外の椅子に身を預けると視界いっぱいに広がる。背後には山、前には海。自然に抱かれるようなととのいの時間が静かに流れる。「海を眺めながらのととのいは、なかなかできないですよね」と朱さん。海と空の境界がゆらぎ、深呼吸するたびに体が軽くなるような感覚がある。
風と共に紡ぐ、新しい記憶──復興の地に生まれたサウナ

風神を模したロゴデザイン、施設名にも「風」という言葉が使われているように、女川の「風」に特別な思いが込められている。
「女川の人にとってあまり良いイメージではなかった風。そんな風を逆手に取って、サウナの後に女川の風を全身で感じてほしいです」と語る代表の阿部さん。

また、このサウナがある場所は、震災前は商業施設が集まるにぎやかなエリアだったそうだ。
「もう一度、ここを人が集まる場所にしたい。そして、女川に長く滞在してもらって、女川をもっと楽しんでもらいたい。そんな思いでサウナを作りました」
朱さんもこう語る。
「女川の人って挑戦的で前向き。若い人も多くて、これからもますます活気が出る街だと思います。その中で、このサウナも大きな意味を持っていると感じました」
女川の力強い再生の空気が、このサウナには静かに息づいている。
女川でしか味わえないととのいを求めて

仙台駅から女川まで、車で約90分。日帰り旅にもぴったりの距離だ。
「県内の方はもちろん、県外の方にも来てほしいですね。観光と組み合わせて、女川の自然を満喫してほしいです」と朱さん。
目の前いっぱいに広がる海、外気浴で頬を撫でる風、耳に届く波音と鳥の声。自然のすべてがととのいの一部になるサウナは、まさに女川ならではだ。女川の風と海に抱かれるサウナで、心と体をゆっくりととのえる時間を過ごしてみてほしい。



